神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示

京都国立博物館「京のかたな」展便乗企画 「かたなと資料」
 (2018年11月1日〜2018年11月30日)



歴史に様々な形で関わった日本刀
図書館の資料を利用して今までにない切り口で歴史を再発見してみませんか?



●兵庫ゆかりの刀たち●

太刀明石国行たちあかしくにゆき 播磨国明石藩主はりまのくにあかしはんしゅ松平家に伝来したことから、この号で呼ばれる傑作。
来派(らいは)の刀工国行の白眉といえる作品。刀身の表と裏に三鈷柄剣を彫り込んである。

刀銘 於舞子別邸稠助さわすけ/以一文字傅予非鍛冶軍務余暇用日出丸ひのでまる吉釘慰造有不折不曲感
「舞子別邸」とは今のホテル舞子ビラの場所にあった有栖川宮ありすがわのみや別邸のこと。
有栖川宮家に招かれてこの地で作刀した桜井正次と威仁たけひと親王ご本人による作品。

刀銘 舞子有栖川宮庭前/明治四十三年十一月吉祥日 卍正次まんじまさつぐ謹作
廃刀令の後の時代、日本刀の技術が失われかけ不遇をかこっていた刀工桜井正次の噂を聞きつけた有栖川宮威仁親王は彼を自邸(現舞子ビラ)に招き、前庭に鍛錬所「如神殿」を用意した。銘の「舞子有栖川宮庭前」はこの鍛錬所のことで、本作は正次にとって最も恵まれた安寧の時代の作品である。

【参考資料】
「ある刀工の足跡を追って―有栖川宮に仕えた刀工・桜井正次と関西―」 大阪歴史博物館 研究紀要第十三号2015年
 京のかたな展図録 2018年





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