「追悼 陳舜臣先生(1924.2.18-2015.1.21) 〜伯母野山より愛をこめて〜」
(2015年2月2日〜2015年4月30日)
2015年1月21日 小説家の陳舜臣先生が亡くなりました。享年90歳。
中国を基盤とした歴史小説などで有名な陳先生ですが、実は松蔭女子学院にとって大変ゆかりの深い方だったことはご存知でしょうか?
そして、この地、神戸市灘区・伯母野山にとっても。
★1981年-1998年 本学の特任教授として教壇に立ちました。
★伯母野山(六甲学院正門前の家)に住んでいました。
1995年1月17日 そこで阪神・淡路大震災に遭ったのです。
1月25日 神戸新聞朝刊の一面に陳先生の書いた寄稿文が載り
ました。
「神戸よ―悲しみを超えて」 (展示参照)
それは震災の被害に打ちひしがれる市民と神戸というまちに向けた
優しく力強いメッセージでした。
神戸で生まれ育ち、この街を愛し、まるで復興20年を見届けてから
世を去られたかのような生涯。
かつて彼の住んだ地、伯母野山からも追悼の意を表し、いくつかの
作品に触れてみたいと思います。
陳舜臣 代表作ラインナップ
・「阿片戦争」 [913.6/180/1〜3]
・「小説十八史略」 [913.6/145/1〜4]
・「秘本三国志」 [918.68/263/4〜5]
・「太平天国」 [918.68/342/3]
・神戸ものがたり / 陳舜臣著 (平凡社ライブラリー ; 228)[091/207]
中国史を基盤とした歴史小説で有名だった陳氏が初めて小説以外の作品として書いた「神戸というまち」(至誠堂 1965年刊)の改訂版。1998年発行。
『ハイカラ』『エキゾッチック』『上品』『オシャレ』『エレガンス』etc.etc. …という使い古された陳腐な表現が殆ど無いあたりが並の「神戸本」と一味違う。
神戸が舞台の作品
・六甲山房記 / 陳舜臣著 [914.6/403]
・枯草の根 ; 三色の家 / 陳舜臣著(陳舜臣全集 ; 第21巻) [918.68/263/21]
「陳舜臣全集」(918.68/263) には他にも神戸を舞台とした小説がたくさんあります。
『桃花流水』 (17巻)
『柊の館』 (19巻)
『孔雀の道』 (22巻)
『幻の百花流水』 (23巻) など
・「阪神大震災 : 神戸新聞特別縮刷版 : 報道記録 1995年1月17日-2月17日 / 神戸新聞社編」(G/1336)
震災(1995.1.17)直後の1月25日、神戸新聞の一面トップ横三段ブチ抜きで掲載されたメッセージ「神戸よ」は目にした何人もの被災神戸市民の涙腺を崩壊させた。
・三蔵法師の道 : シルクロード紀行 / 陳舜臣著 ; 陳立人(写真) [292/13]
陳舜臣直筆のサイン入り本
写真・陳立人は舜臣氏の長男。
・中国発掘物語 / 陳舜臣著
(中国発掘物語 / 陳舜臣著) [222.01/16/1]
松蔭女子学院大学教授黒澤一晃先生に寄贈された本(直筆サイン入)(※ 学長・学院長も務められた黒澤先生は 2006年3月 退職されました)
・学報に掲載された随筆 (松蔭女子学院大学教授時代)
「松蔭女子学院大学・短期大学 学報No.13」(1992.7.20)
・朝日賞受賞の記事 (松蔭女子学院大学教授時代)
「松蔭女子学院大学・短期大学 学報 No.15」(1993.7.10)
翻訳もしました。
・ルバイヤート / オマル・ハイヤーム[原著] ; 陳舜臣著 [929.9/4]
ペルシャ=イランの四行詩集
料理本の監修もしました。
・新・中国料理大全 [596.12/57]
NHKスペシャルの解説も(漢詩)
・「漢詩紀行」 VHS/1424〜1427
NHK大河ドラマの原作にもなりました。
・琉球の風 / 陳舜臣著(陳舜臣中国ライブラリー / 陳舜臣著 ; 21) [918.68/342/21]
(東山紀之主演)
他にもいろいろたくさんあるよ。
OPACで調べて書庫へGO!!
[大阪外語学校の仲間たち]
1924年元町に生まれた陳舜臣は
第一神港商業学校(現市立神港高等学校)を経て
大阪外語学校(現大阪大学外国語学部)に進学します。
・黎氏支那語文法 / 黎錦煕原著 ; 大阪外國語學校大陸語學研究所譯.- 大阪 : 甲文堂書店, 1943.12 [825/22]
同時代(1943年)に大阪外国語大学から発行された本 (陳氏在籍1941−1943)
・司馬遼太郎 (1学年下)
「坂の上の雲」
「竜馬がゆく」
「街道をゆく / 司馬遼太郎著」 (司馬遼太郎全集 / 司馬遼太郎著 ; 48-49, 55-64) [918.68/319/64]
「台湾紀行」 (陳氏同行)
・赤尾(あかお)兜子(とうし) (1学年下・俳人)
「赤尾兜子全句集」 [911.3/121]
・庄野潤三 (2学年上・小説家)
「島尾敏雄 ; 庄野潤三 / 助川徳是編 (鑑賞日本現代文学 ; 第29巻)」 [910.26/273/29] ※余談 島尾敏雄も神戸ゆかりの人
※
同じくNHK大河ドラマ(「天璋院篤姫」宮アあおい主演)の原作者 宮尾登美子も2014年12月30日に永眠しました。
ついでのようで恐縮ですが、ここでささやかながら追悼の意を表します。
(読みたい方はOPACへGO!!)
(図書館)
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