神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示


「赤毛のアン」原作者 L.M.モンゴメリ生誕140周年記念 「花子とアン」(村岡花子と赤毛のアン)
 (2014年6月2日〜6月30日)

想像力を羽ばたかせて前向きにたくましく生きた3人の女性“村岡花子”“アン”“モンゴメリ”の世界に触れてみませんか? 

作者 L.M.モンゴメリ(1874-1942)
カナダ東部、プリンス・エドワード島に生まれ育ち、島の大自然と生活を愛しました。物語「アン・オブ・グリン・ゲイブルス(赤毛のアン)」にも、その美しい風景や生活が生き生きと描かれ、1908年の発表から今日まで、多くの人々に読み継がれています。

モンゴメリ日記 / L.M.モンゴメリ [著] ; メアリー・ルビオ, エリザベス・ウォータストン編集 ; 桂宥子訳  請求記号:935/51

モンゴメリは9歳の時から日記をつけていました。14歳から亡くなる直前までのものが現存しています。  日記を読むと『アン』には実話がたくさん織り込まれていることがわかります。想像力豊かな子ども時代の日記から発想のヒントを得ていたのです。

学生時代から何人もの男性にプロポーズされ、魅力的だったモンゴメリ。教師として働いた22歳の頃、理想的な相手と婚約したものの、別の男性と情熱的な恋に落ちます。しかし翌年その恋人は亡くなります。その翌年には父も亡くなってしまいます。祖母が亡くなり天涯孤独になった36歳の時に牧師と結婚しました。第3巻には恋愛・家族・将来について、理性と感情の間で揺れ動く姿が記されています。

The selected journals of L. M. Montgomery / Lucy Maud Montgomery ; ed. by Mary Rubio, Elizabeth Waterston  請求記号:A935.62/35
モンゴメリ9歳から67歳までの日記の抜粋が掲載されています。
〜成功の裏の苦悩―― モンゴメリの晩年〜
近年モンゴメリは身内の証言から自殺ではないかと言われています。多忙による不調、理想の作家になれない苦悩、精神を病む夫の看護、戦争と家族への気掛かりなどから、薬漬けの生活でした。
苦悶した日記からは「アン」のイメージとは違うモンゴメリが見えてきます。

赤毛のアンA to Z : モンゴメリが描いたアンの暮らしと自然 / 奥田実紀著 請求記号:930.4/357

赤毛のアンのカントリーノート / 和田悟写真 ; 塩野米松構成・文 請求記号:930.4/102

赤毛のアンに隠されたシェイクスピア / 松本侑子著  請求記号:930.28/1458

「赤毛のアン」には、英米文学・聖書・詩からの引用・パロディがおよそ100か所もあります。
「バラはたとえどんな名前で呼ばれても甘く香る」と本で読んだけれど、バラがアザミとかスカンクキャベツとかいう名前だったら、あんないい香りはしないはずよ」 とアンが言うシーン。アンが読んだ本とは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』でした。物語にちりばめられたナゾが解ける本です。

誰も知らない「赤毛のアン」 : 背景を探る / 松本侑子著  請求記号:930.28/1459
赤毛のアンの翻訳者の一人である著者が、取材中に知りえたことを語ります。当時の暮らしぶりや社会背景に加えて、アンに登場するたくさんの植物や言葉、モンゴメリの生涯について丁寧に解説します。

もう「アン」を書くのはこりごり!?
ファンと出版社の熱望、そして家族の生活のためにアンシリーズを書き続けたモンゴメリ。シリーズ後半頃には、実は飽き飽きしていたようです。そんなことにはお構いなしに、作品は大人気でした。

モンゴメリ ―亡くなる4ヶ月前、友人への手紙
「とうとう私は押しつぶされてしまいました。私は元気になろうという努力をいっさい諦めました。かつての私を覚えていてください。そして、今の私は忘れてください。」

図説赤毛のアン : ANNE'S CANADIAN LIFE / 奥田実紀著  請求記号:080/35/314

当時の暮らしや料理、流行、植物から歴史まで、豊富な写真つきで解説。「アン」の背景がよくわかります。

「アン」創作の場所――台所
まだ電気がない時代。外の井戸での水くみ、手洗いの洗濯、薪ストーブでの料理など、家事には時間を要しました。暗くなるとローソクやランプの明かりです。家事と台所の一角にある郵便局の仕事の合間に、読書や日記、創作に没頭しました。
家庭も仕事も
主婦業をこなしながら執筆をし、講演会やサイン会にでかけ、牧師婦人として教会行事や信者の訪問を行う多忙な毎日。そんな中でも編み物や裁縫、刺繍、キルトなど、手作りも楽しんでいました。

赤毛のアン : グリーンゲーブルズへの道 : 劇場版 / ルーシー・モード・モンゴメリ原作 ; 高畑勲脚本・監督 請求記号:DVD/759

1979年に宮崎駿・高畑勲監督らによりアニメ化されたものを編集し、2010年に劇場公開された作品です。 
楽しもうと決心すれば、たいていいつでも楽しくできるものよ。 ――アン・シャーリー

Prince Edward Island : 世界一美しい島の物語 : 吉村和敏写真集 / 吉村和敏著  請求記号:748/102

赤毛のアン / 桂宥子, 白井澄子編著 (シリーズもっと知りたい名作の世界 ; 10)  請求記号:908/67/10
作者モンゴメリの生涯や、舞台となったカナダ・プリンスエドワード島の歴史・社会について、複数の著者が語ります。
「アン」をいろいろな角度から知ることができます。
訳者 村岡花子(1893-1968)
「アン・オブ・グリン・ゲイブルス」を翻訳し、日本で「赤毛のアン」を誕生させました。関東大震災や愛する息子の死、戦争とつづく苦難の中、子どもたちに夢を与えることを信念に、アン・シリーズをはじめ多くの翻訳作品や著書を生み出し続けました。

Prince Edward Island : 花子とアンへの道 : 本が好き、仕事が好き、ひとが好き / 村岡恵理編  請求記号:910.26/1655
写真資料をふんだんに掲載したオールカラーです。
〜花子の遺言状〜  「私は、愛し且つ愛されて真実の幸福を味わいました。ありがとう!」

村岡花子 : 「赤毛のアン」の翻訳家、女性にエールを送りつづけた評論家 : 総特集 / 村岡恵理監修  請求記号:910.26/1658
寄稿文や対談、日記、手紙、など村岡花子自身の手によるものが中心に収められています。童話から恋愛、教育・社会問題まで幅広いテーマを扱っています。女性や子どものために活動した村岡花子の内面が伝わってくる1冊です。

村岡花子と赤毛のアンの世界 / 村岡恵理責任編集  請求記号:910.26/1621
エッセイや童話、書簡などから生涯をたどり、アンの魅力を語ります。
花子とモンゴメリ
共通点の多い二人でした。親との縁が薄い孤独な子ども時代、キリスト教との関わり、息子の死、教師や編集者の経験。家庭の幸せと仕事の両立も目指しました。 花子は「出会っていれば親友になっていただろう。」と話していました。  

アンのゆりかご : 村岡花子の生涯 / 村岡恵理著  請求記号:910.26/1656
ドラマ「花子とアン」の原案となった本。村岡花子のお孫さんが著者です。家族だからこそ知る姿が細やかに描かれています。

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