神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示

「化 粧 文 化」
 (2012年5月1日〜2012年5月31日)

今月は、化粧に関する項目を多様に 体系的に収集し論じている1851年 佐山半七丸による『都風俗化粧伝」 (復刻版)を特別に展示いたしました。普段見ることのできない資料ですので、これを機会に是非ご覧ください。

江戸時代の化粧文化を現代に伝える主要三種『化粧眉作口傳』『都風俗化粧伝』『容顔美艶考』 を紹介します。総合的な美容に関する本です。

『化粧眉作口傳』 復刻版 383.5/18/1
眉の種類、眉の名称の意味、色々な眉の形の整え方、眉を整えるための道具、髪の結い方などが絵とともに紹介されています。年齢、身分などによって眉の整え方、髪の結い方などが変わります。

『都風俗化粧伝』 復刻版 383.5/18/2 著者:1813年 佐山半七丸
 ○上 顔面之部  383.5/18/2-1
顔の色を白くし光沢を出し肌膚をこまかにし美人とする薬の方など、顔に関する様々な悩みに対する処方等が紹介されています。
 ○中 手足之部 頭書 化粧之部 髪の部 383.5/18/2-2
手足を白く光沢を出し、太きを細くしなやかにする伝、髪を黒くし光沢を出す薬の伝、冬 水をつかひて指の腫いたむを治す伝 など手足、頭部、化粧に関する方法が紹介されています。
 ○下 恰好之部(かつこうのぶ)容儀之部(かたちつくりのぶ)身嗜之部(みだしなみのぶ)頭書 383.5/18/2-3
顔の形によりて化粧の仕様有伝、首筋の短を長く立ちのびて見する伝、衣類の汗臭きにほひを去る伝などが紹介されています。

『容顔美艶考(ようがんびゑんかう)』復刻版 383.5/18/3 著者:1819年 並木正三
 ○乾の巻(けんのまき)383.5/18/3-1
春夏秋冬の化粧法、おでかけの時の化粧法など書かれています。身分によって違う化粧法の様子もわかります。
 ○坤の巻 (こんのまき)383.5/18/3-2
顔の気になる部分を改善する化粧法、入浴時の化粧法、化粧品の使い方などが書かれています。

≪参考資料:『解説』383.5/18/4 『化粧眉作口傳』『都風俗化粧伝』『容顔美艶考』の解説≫

〜顔、手足、身体全体について〜
共通していることは、それぞれ鮮血をめぐらすこと それぞれ、揉みさすり気血をよくめぐらし、悪い血をとることとあります。昔も今も同じことで悩み、解決法も共通していますね。

『化粧ものがたり : 赤・白・黒の世界』383.5/15  日本の伝統的化粧の基本となる3色の白、黒、赤を使った化粧品等について書かれた本です。白は白粉(おしろい)、黒は髪の毛、眉、お歯黒など、赤は口紅、頬紅、赤色染料などについてです。

『モダン化粧史 : 粧いの80年』383.5/7 明治時代からの美容法、髪型、装い、小物等について書かれています。明治時代からのポスター、チラシ(引札)、ラベルなどを見るとその当時の雰囲気が伝わってきます。

『眉の文化史 : 眉化粧研究報告書』383.5/21 眉化粧について、主に日本の古代からの時代の流れから眉化粧の形の変化を様々の文献より見ることができます。

    【化粧に関する本は主に請求番号 383.5(第1書庫2層)にあります。】 

(図書館)