神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示

「クラシック入門  ショパン/シューマン 生誕200周年」
 (2010年10月1日〜10月30日)

今年、2010年はマーラー生誕150周年を始めとする、多くの作曲家のアニバーサリーイヤーです。
その中で最もよく話題になるのが、何と言ってもショパン・シューマンの生誕200周年です。誰もが知っている大作曲家の2人が同じ年に生まれていたこと、みなさんはご存知でしたか?
クラシックというだけで敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、ショパンやシューマンにはCMや映画で使われていた曲など、意外に身近な曲がたくさんありますよ♪
今月はそんな『どこかで聴いたことのある曲』を中心に、ショパンやシューマンの世界をご紹介します。

ショパン(Frédéric François Chopin) 1810-1849

 ポーランドの作曲家、ピアニスト。8歳で「天才音楽家」と謳われたショパンは、20歳で祖国ポーランドを離れた後、パリで音楽家として成功し、地位と名声を確立した。その作品のほとんどをピアノ独奏曲が占め、ピアノの詩人とも呼ばれるように、様々な形式、美しい旋律、半音階的和声法などによってピアノの表現様式を拡大し、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いた。
  今日 こんにち でも、彼の作曲したピアノ曲はクラシック音楽ファン以外にもよく知られており、世界中の演奏会で最もよく取り上げられる音楽家の一人である。
(「ラルース世界音楽事典」、「ショパンの世界へ」より)

シューマン(Robert Alexander Schumann)1810-1856
 ドイツ・ロマン主義音楽の代表的作曲家。少年時代から文学を愛好し、作家になろうか、音楽家になろうか思い悩んだ時期もあったというシューマン。指の故障でピアノの演奏を諦めなくてはならなくなり、以後は作曲家、評論家として活躍。ショパンやブラームスを紹介した功績は大きい。なかでも1831年にショパンを絶賛し、「諸君、脱帽したまえ、天才だ!」と発表した論文は有名。
 作品としては、特にピアノ曲・歌曲に、ロマン派的な幻想的な世界を描き出した優品を多く残している。名ピアニストであるクララ・シューマンは妻。
(「標準音楽辞典」、「ビジュアルで楽しむピアノの世界」より)

ショパンの世界へ:愛と魂の旋律 762.34/127
たくさんの写真と共にショパンの生涯が紹介され、解説曲のCDも付いているので、ショパン入門には格好の1冊。
この中に収録されている「幻想即興曲」、ワルツ第9番「告別」は ドラマ「のだめカンタービレ」の中で使用されていました。 のだめカンタービレと言えば、シューマンの「ピアノソナタ第2番」も コンクールの場面で使われていましたね。

ビジュアルで楽しむピアノの世界  763.2/24
作曲家やピアノの名曲の解説、ピアノの歴史やしくみなど、ピアノとその音楽の魅力を様々な角度から紹介している1冊。 「戦場のピアニスト」でショパンの「バラード第1番」が演奏されるシーンは印象的でした。 ちなみにバラードの第2番はシューマンに献呈されています。

ショパン 奇蹟の一瞬:聴きながら読むジョルジュ・サンドとの愛  762.34/125
ショパンとサンド 762.34/126
ショパンの音楽人生に強い影響を与えた、女流作家のジョルジュ・サンド。彼女との9年におよぶ交際の間には「24の前奏曲」、「幻想曲」、「バラード第4番」、「英雄ポロネーズ」、「舟歌」、「幻想ポロネーズ」等、数多くの傑作が生まれました。

ピアノ曲鑑賞辞典 763/34   
ピアノの独奏曲を楽しむための手引き。 各作品それぞれについて、成立過程や作品にまつわるエピソード、曲の構成などが詳しく解説されています。

シューマン(作曲家・人と作品シリーズ) 760.8/54/17
シューマンの生涯と作品を分かりやすく解説。作曲家以外にも音楽評論家として活躍したシューマン。評論家としては、1835年創刊の『音楽新報』(Die Neue Zeitschrift für Musik)の編集長を務め、音楽理論、作品と演奏批評など活発な執筆活動を行いました。ちなみにこの雑誌、現在も刊行されているのです!ご興味ある方は調べてみてはいかがですか?

真実なる女性 クララ・シューマン 762.34/29
昨年、映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」でも話題になった、シューマンの妻で名ピアニストのクララ・シューマン。 この本はクララの生涯に及ぶ日記を元にしています。シューマンの永遠の恋人クララ。彼女を想って書かれた曲は多数あり、シューマンを語る上で欠かせない存在です。

子供の情景 ; 詩人の恋 / シューマン CD/72
映画「私のちいさなピアニスト」にも使われた「トロイメライ」は「子供の情景」の第7曲。誰でも一度は耳にしたことのあるシューマンの代表作ですね。

シューマン交響曲全集 CD/173-174
シューマンにとって、交響曲は創作人生の最大の目標だったそう。シューマンのオーケストレーションには色々批判的な意見もあるようですが、シューマンらしい美しい旋律は交響曲でも健在。 ピアノ曲しか知らないという方、是非一度聴いてみて!

ショパン : ピアノ作品全集 CD/232-235
夜想曲「ノクターン」。生涯に作られた21曲のうち、3曲は死後、遺作として出版されました。この「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」(夜想曲第20番) 嬰ハ短調もそのひとつ。ドラマ「風のガーデン」の主題歌「カンパニュラの恋」の原曲です。またこの曲はパナソニック「ヴィエラ」のCMでも使われていました。

音楽と音楽家 アオ/502/1
原書は「Gesammelte Schriften über Musik und Musiker」。優れた音楽評論家でもあったシューマンの、論文の大半を収めた評論集です。この本はその評論集の中から抜粋、翻訳したものです。もちろんショパンの作品についての記述もありますよ。

(図書館)