★図書館サポータからのコメント★
『阪急電車』 有川浩著 (913.6/921)を読んで
毎日、通学のために使っている「阪急電車」ですが、学校まで私を運んでくれるツールであり、電車自体を意識することはあまりありませんでした。
この本を読んでまず感じたことは、電車はいろいろな人を運ぶのではなく、たくさんの人のいろいろな人生・生活・時間を運んでいるのだということです。
読み始めてすぐ、各登場人物に共感したり、否定的になったりとすっかり小説の中に感情移入している自分に気づきました。
身近な阪急電車と身近な地名、女子高生、大学生などの登場人物によってお話の中にとても入っていきやすい小説でした。
短編が重なり合ってひとつのお話、一人の生活を描いていて、ちょっとした空き時間に読んでみるのも
面白いと思います。
電車の中では、席が近くになった人と話すことや関わる機会は少ないですが、この本を読んで「電車というひとつの空間」を意識するようになりました。
電車の中の日常的な様子を描き、いろんなことに気づかせてくれるこの本は、大学生の今読むからこそ面白く感じる本なのではないかなと思います。
|