神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示

「第5回 執筆者は語る」 (2006年10月2日〜2006年10月31日)

本学専任の先生方より図書館へご寄贈いただきました図書を展示いたします。(2006.4以降のご寄贈分です。)
「執筆者は語る」と題して、ご自分の著作を紹介して下さいました。
興味を持った図書を読んで、著者の先生に感想を述べてみたり、疑問をぶつけてみてはどうでしょうか?
なお展示している本は、展示終了後の11月1日より貸出できます。今すぐ予約しておきませんか?






『精神分析的心理療法の手引き』
誠信書房 ,1998

『臨床心理実習論』
誠信書房 , 2003

『学校教育相談』
ミネルヴァ書房 , 2002


 『精神分析的心理療法の手引き』は、初心者と中級者を対象として精神分析的心理療法の進め方の実際について、多くの事例を取り上げて、具体的に解説したものである。精神分析的心理療法は、心理療法の基礎となるものである。
 『臨床心理実習論』では、「スーパーヴィジョン」の章を担当した。スーパーヴィジョンは、心理臨床を学ぶ者にとっては必須の学習課程であるが、スーパーヴィジョンをどのように進めていくかを概説したものである。
 『学校教育相談』では、教師、スクール・カウンセラーを対象として、不登校、いじめ、学級崩壊、非行など、学校で起こる様々な問題を取り上げ、その理解と対応について考察した。

一丸 藤太郎 教授





『日本におけるユダヤ学の現状』 
同志社大学一神教学際研究センター , 2006

「キリスト教学」と比較できるような「ユダヤ学」の試みは、19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパに存在しました。しかし、ホロコーストによって消滅。ですから世界的に見ても「ユダヤ学」は新しい学問です。日本でも、これまで、聖書、死海文書、タルムード、中世ユダヤ思想、カフカ、エリ・ヴィーゼルなどの文学、フロイトの精神分析学、スピノザ、ブーバー、レヴィナスなどの哲学、ユダヤ人迫害の歴史、メンデルスゾーンの音楽などは、それぞれまったく別の学問分野で研究されてきました。昨年から始まった「CISMORユダヤ学会議」はこのような研究をしている内外の学者が集まったものです。私は中世ユダヤ教の専門家ではありませんが、この分野が分る稀な研究者として招待されました。

勝村 弘也 教授





『日本海海戦とメディア』 

講談社 , 2006

日本においてメディア社会状況は明治中期に生じています。当時はインターネットはいうまでもなく、テレビ、ラジオもなかったわけで、メディアの担い手はもっぱら新聞と雑誌でした。そういう時期に起こった戦争が日露戦争(明治三七年=一九〇四年)です。日本が欧米諸国から輸入した武器・資材・制度を活用して一応勝利したわけですが、もう一つ大きな役割を果たしたのがメディアでした。逆に言うとこの戦争を通じて日本はメディア社会化したといえます。高度メディア社会といわれる今日、わたしたちはそれから多くの便宜を得ているわけですが、同時に様々な弊害が生まれていることも知っています。実はそういう功罪を成立期メディアは既にもっていたのです。日本海海戦という確かにドラマティックな戦闘で戦争は終結するのですが、メディアはそのドラマ性に比重をかけて報じ事柄を神話化しました。新聞報道と近年公開された極秘史料の分析を通じ事実を追究した本です。基本は批判と検証、これはメディアのベースをなすジャーナリズムの精神でもあります。

木村 勲 教授




『いまこそ地域力!:神戸・東灘区のまちづくり最前線』
神戸新聞総合出版センター , 2006

阪神大震災から10年、神戸の町の復興は着実に進んでいる。しかし地域のコミュニティで起こっている変化は表面からは見えないが、市民の生活に大きな問題を投げかけている。
子育てや働く女性の問題、マンション・ラッシュと新住民の流入、高齢化時代の交通問題、落書きやゴミ問題・・・それを解決するためのいくつかの試みを、マーケットリサーチ、政策形成過程、住民との話し合い、成果などについて、筆者が神戸市東灘区長として5年間の経験を区役所の職員とともにまとめたのが本書である。身近な生活の問題と取り組むときのヒントが詰まっている。

『仕事論:先輩に聞く、女性と就職』
アルゴ , 2006

ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)では、女性に自分の仕事を語ってもらうライブセミナーを数十回にわたって開催してきた。今回、その中から10人分をまとめたのが本書である。それぞれの分野で努力や苦労もして、今、誇りを持ってこれが私の仕事といえることはすばらしい。公務員代表として筆者が登場している。
ドーンセンター館長・経済学者の竹中恵美子さん、精神科医・評論家の香山リカさんの示唆に富むお話、女性と仕事の歴史や実態、どこに行けば情報が得られるか、など女性が働くときに必要なノウハウが得られる。

高橋 佳子 教授





『中国語で歌おう!カラオケで学ぶ中国語』(1)(2) 

アルク , 2000-2001

英語教育ではすでに実績のある音楽をモチーフとした語学教育を、中国語でも展開すべく取り組んだもの。メロディにのせたフレーズを覚えることで表現力が身につくだけでなく、中国とのコミュニケーションツールとして歌やカラオケを利用できる。中国ビジネスに従事する人々にとっての福音書といわれている。第一弾は中華ポップスや日本のヒットソングの中国語カヴァーを、第二弾ではテレサ・テン特集で構成。宴会芸にぜひ中国語で一曲いかが?

『会話で覚える中国語888』 
東洋書店 , 2004

HSK甲級基礎用語1033語より厳選した語彙と、コミニュケーションに必要な語彙を、中国語で吉祥数とされている888語にまとめて解説し、それぞれに口調の良い会話文を明記した書。実践的会話からのアプローチによる学習法開発の一環。いかにもありそうな男女の会話が多数あるので、どんどんご活用ください。

『中国語シャドーイング入門』 
DHC ,2005

通訳トレーニングメソッドの一つであるシャドーイングの効能に注目し、リスニング力とスピーキング力を高めるプロセスを開発。本来上級者向けのメソッドとされているが、初級者レベルから取り組めるよう難易度を段階的にアップさせていくプロセスを提唱。教室での使用はもとより、自習スタイルでの訓練を可能にする工夫と編集を行っているので、中国語力ブラッシュアップのツールとしてご愛用ください。


古川 典代 専任講師






『日本のフィールド言語学』 

桂書房 , 2006

この業界に足を踏み入れた時から私は半端者であった。英文科を卒業して大学院でも英語学専攻でありながら、修士論文では沖縄方言を扱った。アメリカの大学に提出した博士論文も東京方言に関するもので、結局私は日英語の論文を読みながら日本語の分析をし、日英語で論文を書く研究者になってしまった。それは同時に、英文科で教えながら日本語の学会に所属するということでもあり、研究仲間が国文科と英文科に分散していることであり、そして前者の知人からは「松田君、英語出来るんだねぇ」と感心され、後者からは「松田君、万葉集読めるの?」と聞かれるということでもある(ちなみに読めない)。さらに研究内容でも「社会言語学もイケてるが、生成文法も超必要だ」という立場であるため、未だに両陣営から「松田君はあっちの人だから…」と言われ肩身の狭い思いをする。この本に書いた論文は、結局こうした「2つの祖国×2」を持つ私のぼやきなのである。


松田 謙次郎 教授