神戸松蔭女子学院大学図書館 今月の展示

東方の三賢王が幼子イエスを訪問する
 (2004年12月7日〜12月24日)

聖書の「マタイによる福音書」2章には輝く赤星に導かれて東方から来たMagoi(複数形)たちが、ベツレヘムで生まれた幼子イエスの所にたどり着く物語が記されている。Magoiは、元々「占星術師」ないし「賢者」を意味したと思われるが後代には、「三人の王」と考えられるようになった。「三人」とは彼らが「黄金・乳香・没薬」を捧げたとある所からきたものだろう。
彼らが「王」とされ、幼子イエス・キリストに跪く姿が描かれるようになったのはヨーロッパにおいてキリスト教会が世俗的権力よりも上位に立つようになったという歴史的事実を象徴的に示すためでもあった。

“The jolly Christmas postman”
病院にいるハンプティ・ダンプティ氏に宛てられた子どもの手紙。封筒にはHumpty Dumptyのパズルが入っている。

『明治期讃美歌・聖歌集成 復刻版 ; 第39巻』 
『クリスマスのよろこびのおとづれ』(明治39年版)による三人の博士の説明文。
カスパーはギリシア人、メルキオルはインド人、バルタザールはエジプト人とある。これは、ヨーロッパ、アジア、アフリカの三大陸の代表がキリストを訪問したとの解釈による。

『古今聖歌集 日本聖公会第二十五総会採用 再改定・増補版』 聖公会出版(宗教センター所蔵)
「われらはひがしの」として知られる日本聖公会の『古今聖歌集』の36番クリスマス・カロルでは、三博士となっている。
原曲ではこの3人にMelchior メルキオル CasparカスパーBalthazar バルタザールという名前が付けられている。

『アルテ・ピナコテーク ミュンヘン(スカラ/みすず美術館シリーズ ;4)』
ドイツのミュンヘンにある「アルテ・ピナコテーク」所蔵の2点の三賢王の礼拝

『クリスマス キャロル メトロポリタン美術館版』 日本基督教団出版局
「まきびとひつじを」として知られるThe First Nowell3番では”Three wise men came from country far”と歌われるように「三人の賢者が東の遠い国から来た」とされている。

“Tomie de Paola's book of Christmas carols”

三博士の礼拝 Bosch 『メトロポリタン美術全集 ; 5北方ルネサンス』 福武書店

『讃美歌21』の258番「まきびとひつじを」1997年2月初版発行 『讃美歌21』 日本基督教団出版局

(総合文芸学科 勝村弘也教授)