「河合隼雄の本」
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3階カウンター前に展示しています。
今月は「河合隼雄の本」と題して心理学の第一人者河合隼雄氏の著作を紹介しています。
比較的読みやすい本を選んでいます。是非手にとって見てください。
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〜お薦め本解説より〜
【子どもの本の森へ】
臨床心理学者の河合さんと詩人の長田さんが子どもの本について対談したものです。
私自身、本の題名は知っていても読んでいない子どもの本がたくさんあることに気づきました。ミヒャル・エンデの『はてしない物語』『モモ』なども紹介されています。
この機会に様々な子どもの本を手にとってみてはいかがですか。
【こころの処方箋】
誰もが心のどこかで納得しながらも受け入れ難く思っているようなことを、臨床心理学者である著者が格言風につづった1冊です。
私にとってこの著書は心の支えになり、もっとスッキリした考えをしようという思いにさせてくれるものでした。
【神話と日本人の心】
河合隼雄は、ユング派の心理療法家である。この本は著者がユング派の分析家として、心理療法と神話について述べたものである。
ユングは、個人の生き方を支えるものとしての神話の重要性に気づき、クライアントが「自分自身の神話」を見いだしてゆくのを援助している。
本書では、著者が日本人にとっての「開かれたアイデンティティ」を探索してゆく上での多くの示唆を与えるものとして、日本神話を読み解いている。
心理学の本というより、日本神話の登場人物を解説している本・・・という印象を持った。
【「日本人」という病】
「ニュースは事実を、お話は真実を伝える」「さて、平成のお父さんは」など、たくさんの項目にわけられており、楽しく読める一冊。
国際日本文化センター所長、文化庁長官にまでなった著者が、自分自身がどのようにして日本文化と深く関わるようになったのかということを、心理療法や物語、現代社会を通して著わしている。
著者が国際日本文化センターの所長をされていた時、外国の友人から、「自国の文化に関する研究センターを国内に持っているのは日本だけだろう」と言われた事があるそうだ。
日本という国と文化の関わりについて改めて考えさせられる一冊である。
【物語とふしぎ 】
ユング派の著者が児童文学や物語について解説、紹介している一冊。
“「ふしぎ」の反対は「あたりまえ」の世界に生きている”と述べられているが、なるほど、子どもは「ふしぎの世界」生きているのだろうなと納得した。
人生における「ふしぎ」と、それを心の中に収めていく物語とが、いかに人間を支えているか・・・考えてみた事が無かった。この本を読んで「ふしぎ」と感じることの大切さに気づくことが出来た。
【生きることと死ぬこと】
タイトルを見ると、生きることと死ぬことについて書かれているように思うが、この本は様々な「生きるための過程」が書かれている。
前半は生と死、男と女、青年と老人、などのテーマを物語によって解説している。
ファンタジーの意味、ファンタジーに出てくる老人の意味などをユング心理学を基に、分かりやすく・面白く書いている。
後半は母と息子、父と娘などの関係をギリシャ神話やキリスト教の例を挙げて説明している。
【猫だましい】
猫が好きな人に、オススメの一冊!
「牡猫ムル」「長靴をはいた猫」「100万回生きたねこ」「宮沢賢治の猫」「少女マンガの猫(綿の国星)」など・・・全て猫が登場、もしくは主人公の物語を何冊も紹介している。
“なぜ犬ではなく猫なのか”“猫を通して見る人間”について、ユング心理学的に読み解かれている。
私はこの本を読んで「猫の“導き”と“だまし”」という考え方がおもしろいと感じました。
【深層意識への道 (グーテンベルクの森シリーズ)】
泣き虫ハァちゃんが、何を読んで河合隼雄になったかがわかる本。どうしてこんなに味気ないタイトルをつけたのだろうと思ってしまうほど面白いです。
本好きのアナタにオススメ!
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