月間コラム10月号 

「卒業生のみなさま お元気ですか?」


 近くの里山を散歩していますと、秋の青空の下、棚田の畦に咲いている漫珠沙華と赤色を競うかのように群れ飛ぶ赤とんぼに出会います。「夕焼け小焼けの赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か、……」とつい、三木露風の詩を口ずさんでしまいます。
みなさまお元気ですか。

 この季節に飛ぶ赤とんぼの多くは秋茜と呼ばれる種類で、「ア.キ.ア.カ.ネ.」という言葉の響きにとても惹かれます。秋茜は羽化した時は黄だいだい色で、成熟と共に、秋にあの茜色に変身し、そしてもっと驚いた事には旅もするのです。
 秋茜の一生は、卵で冬を越し、春に水田、沼地で孵化し、水中で幼虫の時期を過ごし、6、7月頃羽化し十分飛べるようになると涼しい山へ、六甲山系ではおおよそ300m以上の高地へと旅をします。9月頃成熟し茜色に変身して、秋風と共にまた平地に戻り、産卵をし、次の世代へ命をつなぎます。

      

  

 秋茜が日本に多く見られるのは、稲作と秋茜の生活周期がうまく一致しているからだそうですが、この数年来の気象の変化、温度の上昇等、自然条件の変化が秋茜の生活周期に影響しなければいいのにと思ってしまいます。研究者によると神戸市周辺の秋茜の数はもう減少化傾向にあるようです。
   秋も寂しくなるかも知れません。

 さて、会報誌がお手元に届く頃かと思います。どうぞご覧ください。その中にもご案内しておりますが、11月14日はホームカミングデーで、千と勢会の総会、懇親会を催します。一度キャンパスにお出かけになりませんか。ご参加をお待ちしております。

 同窓生の皆様からのニュースは、できるだけたくさん掲載していきたいと思っています。
お便りをお待ちしています。  

 次回の更新は、
 10月31日の予定です。